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新築住宅の窓の付け方~知っておきたい規制と図面で窓を検討する方法~

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『窓の付け方』です。

具体的にプランを始めようとなったとき「日当たりのいい明るい家にしたい」「風が抜ける気持ちいい空間にしてほしい」といった要望をいただくことはよくあります。
日当たりや風通しを考えるということは、つまり窓を考えるということ。
窓にはほかにも防犯、暖かさ・涼しさなど暮らしに直結する重要な機能があります。
建築基準法にも窓に関する規制があり、設計士が間取りを考えるときにも大きく影響しています。
今日は住宅の窓の規制を確認し、設計中に窓の配置や大きさをどのように検討していけばよいかをお話しします。

 

住宅の窓のおもな役割

最初に、住宅における窓のおもな役割を確認しておきましょう。
誰もが日々の生活の中で体感していることだと思いますので、簡単にキーワードだけ挙げていくと。
採光・通風・換気・断熱/遮熱・眺望・防犯・デザイン。

周辺環境や生活スタイルによってどれを重視するかは変わってきますが、どんな住宅の窓でもこれらを考慮して形や大きさ・機能を選択、配置されているはずです。
新しい家を建てるときにも、もちろんこのような役割から窓を考えていくことになります。
ですが、施主の好みや周辺環境より前に法的規制をクリアしなくてはいけません。
住宅の窓にはどのような規制があるのかを確認していきましょう。

 

住宅の窓に関する法的規制

建築基準法は、住宅の居室の窓について採光・換気・防火の観点から規制を定めています。
※居室とは居住、作業、娯楽などのために継続的に使用する部屋のことで(建築基準法2条4号)、一般的にリビング・キッチン・寝室などを指し、玄関・廊下・洗面・浴室・トイレなどは居室には含まれません。窓に関する規制は居室についてのみ定められています。

●採光:採光に有効な面積がその居室の床面積の7分の1以上必要。
●換気:換気に有効な面積がその居室の床面積の20分の1以上必要。
●防火:防火地域や準防火地域では、延焼の恐れのある部分に法令で定める構造の防火戸、その他の防火設備が必要。

 

という内容です。
例えば、採光に関する規制から考えると、10畳(=16.6㎡)のリビングには有効面積2.37㎡以上の窓が必要だということになります。
当社で最も多く採用される掃き出し窓のサイズは1,650mm×2,000mmなので、面積は3.3㎡。
単純に計算すると、10畳のリビングには掃き出し窓をひとつ付ければOKだといえます。
あるいは、もう少し小さな窓を複数付けても合計が2.37㎡以上になれば問題ありません。

でも!!
ここで注意したいのが「有効な」という言葉です。
窓をつくればすべてが採光に有効な面積だというわけではなく、隣地境界線と建物の距離などによって細かく規制されているんです。
実際にどのくらい光が入ってくるかに関わらず、法律上は一律のルールが設けられています。
細かい計算方法は割愛しますが、建築基準法上では【窓の有効面積=窓の実面積×採光補正係数】という計算で十分な窓がとれているか判断します。
ポイントは採光補正係数。
この数値が大きいほど有効と見なされる面積が大きくなるわけですが、【採光補正係数=軒先から隣地境界線までの距離(D)÷ 窓の中央から軒先までの高さ(H)】なので、隣地との距離が重要になってきます(窓や軒先の高さはほとんどの住宅でもそれほど変えられませんから)。

建築基準法上の考え方を示しましたが、窓の外がすぐ隣の建物の壁だと意味がないというのは体感的にも理解できますよね。
この規定には緩和措置もあり、窓が道路や公園に面している場合は窓の実面積より大きな面積を有効面積とすることができたり、天窓については実際の面積の3倍の有効面積があるとすることができます。

換気についても同様に必要な面積を算出し、有効面積≧必要面積となっているか確認します。
換気の場合は、窓の開けられる部分の面積がそのまま有効面積になります。
引き違い窓なら窓全体の面積の半分ですね。
そうやって算出した有効面積の合計がその居室の床面積の20分の1以上になっていればOKです。

防火地域・準防火地域では、万が一の火災のときに隣家に燃え広がるのを防ぐための規制もあります。
隣地や道路から一定の距離を延焼の恐れがある範囲=延焼ラインと定められており、延焼ラインより外側にある窓を燃えにくい構造の防火戸にしなくてはいけません。
原則として1階は隣地境界線から3メートル、2階は同5メートルが延焼ラインです(防火上有効な公園や川などに面している場合は緩和措置があります)。

このほかにも、万が一の火災の際の排煙(建築基準法)や避難口、消火活動のための非常用進入口(消防法)として適格かといった規制もあり、設計士はその土地に合わせた採光や通風などと同時にこれらの規制をクリアするようにプランを考えていきます。

 

図面で窓を検討する方法

では、お客様はどのように窓について確認していけばいいのでしょうか。
見ていただきたい図面は、平面図・立面図・展開図です。

平面図は間取りを上から見た図面で、設計のときに一番よく見ますよね。
窓について考えるときも、まずは平面図で家全体にどのように窓が配置されているかを確認してください。
朝昼夕の陽射しがどの窓からどのあたりまで入ってくるのか、どのように風が通るのか、近所との関係などを敷地条件を踏まえて説明してもらいましょう。
中島工務店ではプラン前の敷地調査の際に現地で測量を行い、近隣の住宅の窓の位置なども確認しているので、隣の家の窓と我が家の窓が向き合わないようにするのはもちろん、窓から見える景色にも十分に配慮して計画しています。

外観デザインについては立面図を見てみましょう。
立面図は建物の4面の外観の図面で、外からどのように見えるのかがわかります。

使い勝手や内観デザイン、室内の家具のレイアウトを検討できるのが展開図です。
展開図は部屋ごとにつくるもので、部屋の真ん中に立ったときに4面の壁がどのように見えるのかを表した図面です。
実際の目線に近い図で、建具や造付家具、キッチンなどの設備も記載されているので、持ち込み予定の家具を置いたらどうなるかなどを具体的に考えるのに役立ちます。
平面図と見比べながら「ここにソファを置いたらどうなるかな?」といった具合に検討してみると、案外「明るくしたくて窓を大きくしたら家具を置く場所がない!!」なんて気づくこともあります。

窓の方位や高さは季節ごとの陽射しの入り方にも関わっています。
日当たりがよい方がいいといっても真夏の強い陽射しは遮りたいですよね。
夏至・冬至といった季節ごとの太陽の入射角も必ず検討し、冬の陽射しはできるだけ部屋の奥まで取り入れ、夏の陽射しは遮るように考えていますので、具体的にどこまで陽射しが入ってくるのかもこれらの図面を見ながら説明してもらいましょう。

そうやって検討した結果「窓を変更したい」となった場合、先ほど述べたような規制を考慮しながら変更を検討していくことになります。
ですので、例えば「落ち着いた雰囲気にしたいから、あまり陽射しを入れたくない」という希望でも採光に関する規制を満たすだけの窓はどうしても必要になるので、極端に小さな窓にすることはできません。
※採光を抑えた落ち着いた部屋をつくる方法はあります。詳しくは設計士にご相談ください。
逆に「もっと窓を大きくしたい、増やしたい」という場合には、今回ご紹介した規制とは別に耐震性を検討しなくてはいけなくなります。
耐震性の検討については下記の記事を参照していただきたいと思いますが、窓を大きくする場合には補強が必要になったり、耐震性を検討し直さなければならないケースがあるため、慎重に確認します。

あとは具体的な製品の検討ですね。
断熱・遮熱や防犯は製品ごとの機能・性能で考えていくことになりますし、内観や外観のデザインにも関わってきます。
当たり前ですが、高性能な製品はその分費用も高くなります。
家全体の中で窓にどんな役割をどのくらい求めるのかは人によって異なりますから、ご自身の意向を設計士にしっかり伝えた上で、カタログやショールームで確認しながら決めていきましょう。

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