愛知・岐阜の注文住宅・リフォーム 長久手Studio | 中島工務店

カーポート計画の注意点~建ぺい率や内装規制など知っておきたいことまとめ~

カーポート 当社施工事例(以下同じ)

 

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『車庫』です。

戸建住宅のプランを考えるときに「車をどう停めるか」は最初に考える重要なポイントのひとつです。
こちらの記事でもご紹介した通り、建築のプロが敷地を判断する最初の手順が必要な車庫のスペースを確保したときにお客様が希望する家が建てられるかどうかだからです。

そして駐車スペースが取れるとわかっても、プラン全体のバランスや建ぺい率・容積率への影響、材料の規制等考えなくてはいけないことがたくさんあります。
建物の付属品のように思ってしまいがちな車庫ですが、実はプラン前から知っておいた方がいいことがたくさんあるんです。
今日はあらかじめ知っておきたい車庫のアレコレをまとめてみました。

 

車庫の種類;駐車場・ガレージ・カーポート

車庫にもいくつか種類がありますが、建築基準法上の区別(定義)があるわけではありません。
建築基準法では「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)」を建築物と定めているため(第2条)、屋根があれば車庫であれ自転車置き場であれ倉庫であれ、どんなものであれ建築物と見なされます。

では一般的にはどう言われているのかというと(一般的というか、エクステリア業界がこのように言っているようです)。
●駐車場:屋根なし、青空駐車。
●カーポート:柱と屋根だけで構成されたもの。
●ガレージ:屋根と壁で三方が囲まれたもの。シャッター付きで四方が囲まれているものを含む。
だいたい感覚的にも納得できると思いますので、この記事ではこの通りに使い分けていきたいと思います。

擁壁に掘り込みのガレージ

 

さらにガレージの中には建物の一部に含まれるインナーガレージ(ビルトインガレージ)や擁壁に掘り込みでつくるガレージもあります。
当たり前ですが、屋根や壁がしっかりとあるほど紫外線や雨風から車を保護してくれますし、防犯性も高くなります。
とはいえ、しっかりつくるほど費用もかかりますから、車庫をどうするかは住む人の考え方が大きく影響するところです。
プランにも予算にも関わってきますので、あらかじめご家族で相談しておきましょう。

 

車庫に必要な広さ

では、車1台を停めるのに必要な広さはどのくらいなのかというと。
だいたい次のような広さを目安に考えます。

車1台に必要な車庫スペース
●天井高2.1メートル以上
●青空駐車orカーポートなら 幅2.5メートル×奥行5メートル
●ガレージなら 幅3メートル×奥行6メートル

 

ガレージの方がやや広いスペースが必要なのは、ドアを開閉するスペースを確保するためです。
屋外であれば周囲に多少の余裕がありますが、三方を壁に囲まれたガレージでは開閉時の余裕をあらかじめ設計しておく必要があります。
2台分必要な場合はこのスペースの幅の方を2倍にすればOK。
2台分のカーポートなら幅5メートル×奥行5メートルの正方形、約15畳分ほどのスペースが必要だということになります。

 

車庫と建ぺい率・容積率

家を建てようと思ったとき、比較的初期にぶつかる問題が建ぺい率と容積率です。
それぞれ定義を確認しておきましょう。

建ぺい率:建築物の建築面積の敷地に対する割合(建築基準法第53条より抜粋)
容積率:建築物の延べ面積の敷地に対する割合(同 第52条より抜粋)

 

う~ん、法律用語ってわかりにくいですね。
読み解いていくと。
まず建築面積は水平投影面積、つまり建物の真上から光を当てたときに影ができる範囲の面積を指します(建築基準法施行令第2条)。
細かくいうと出幅1メートル以下の軒は建築面積に算入されないなどのルールがありますが、ひとまず建物を真上から見た面積だと思っておいてください。
そして、敷地面積に対して建築面積が何割を占めるかを表したのが建ぺい率(建築面積÷敷地面積×100)で、それぞれの敷地はあらかじめ自治体によって建ぺい率が決められています。
例えば敷地面積50坪で建ぺい率60%の場合、実際に建物を建てられるのは建築面積30坪(50坪×60%)までということになります。

一方、容積率の方に出てくる延べ面積は建物の各階の床面積の合計です(建築基準法施行令第2条)。
例えば1階が60㎡、2階が30㎡なら延べ面積は90㎡です。
敷地面積に対する延べ面積の割合が容積率で(延べ面積÷敷地面積×100)、こちらも自治体によってあらかじめ決められています。
例えば敷地面積50坪で容積率200%の場合、実際に建物を建てられるのは延べ面積100坪(50坪×200%)までというわけです。
実際に家を建てるときには建ぺい率と容積率両方の規制を満たしていなくてはいけません。

では、これが車庫になんの関係があるのかというと。
車庫の面積も建ぺい率と容積率に算入されるんです!
つまり、車庫の大きさの分だけ建物が小さくなってしまうということ。
これはカーポートでもガレージでも同じです。
青空駐車の場合は建築物がありませんから、もちろん関係ありません。

ただし、車庫の場合は建ぺい率・容積率ともに緩和措置があります。

車庫における建ぺい率の緩和措置
次の条件を満たす場合、車庫の柱から1メートルまでの部分は建築面積に参入されない(平成5年建設省告示1437号)。
①外壁のない部分が連続して4メートル以上であること
②柱の間隔が2メートル以上であること
③天井の高さが2.1メートル以上であること
④地階を除く階数が1であること
※自治体によって異なる場合があります。

 

カーポートならほとんどこの条件を満たすので、緩和措置が受けられます。
一方、ガレージだと①外壁の・・・という条件を満たさないため、建ぺい率の緩和措置の対象にはなりません。

車庫における容積率の緩和措置
自動車車庫等の床面積は、その敷地内の建築物の各階の床面積の合計(延べ面積)の5分の1を限度として延べ面積に算入されない(建築基準法施行令第2条の4ただし書き)。
※自治体によって異なる場合があります。

 

こちらは車庫ならカーポートでもガレージでもすべて対象になります。
なお建ぺい率・容積率とは関係ありませんが、ガレージの場合は三方を壁に囲まれているため床面積が固定資産税の対象にも算入されます。

カーポート or ガレージをつくらない場合も駐車場を外構の一部として計画します

 

車庫の内装と外装の制限

車庫は内装や外装の材料に関する制限もあります。
ガレージ、カーポートはどんなものであれ内装は防火材料でなくてはいけません(建築基準法施行令第128条、第129条)。
不燃材料は建設省告示第1400号及び1401号に定められていて、コンクリート、モルタルなどが該当します。
木の家の場合、車庫の内装も木で仕上げたいところですが、木を見せていい範囲は天井・壁の面積の10分の1以内の見付面積と定められています。
実際にどの程度木を見せることができるかは設計士とよく相談してください。
※見付面積:梁間方向(小屋梁と平行の方向)、けた行き方向(小屋梁と直角の方向)ともに、1階床から1.35m上に線を引き、それより上の部分の垂直面積を指す。

防火地域・準防火地域・22条区域では車庫の外装にも制限があります。
防火地域・準防火地域は都市計画法で定められており、万が一の火災の際にできるだけ延焼を防ぐのが目的で、建築物は外壁・軒天などが防火性能を備えていなくてはならない等の規制があります。
車庫も建築物ですから、この規制に従わなくてはいけません。
22条区域は建築基準法に定められており、防火地域・準防火地域でないところで延焼を防ぐために屋根に不燃材料を用いることを規定したもので、その範囲は自治体が決めます。
だいたい防火地域・準防火地域の周辺に広がる住宅地が指定されていることが多いですね。
これらの地域ではガレージ、カーポートの屋根や外壁の材料に注意が必要です。
なお自治体によって運用が異なる場合がありますので、実際に建てる際には設計士とよく相談しながら進めてください。

防火地域・準防火地域・22条区域についてはこちらの記事をご覧ください。

 

そのほかの検討ポイント

プランのときに車庫について少なくとも知っておきたいポイントをまとめてきました。
最後に規制などではありませんが併せて検討したいポイントをご紹介します。

①車庫だけ後でつくってもいい?→いいけれど、同時につくることをオススメします。
予算などの問題で「車庫は後からつくろう」というケースがありますが、建物と同時につくることをオススメします。
先ほどご紹介した通り建ぺい率・容積率にも影響してくるため、車庫をつくる予定ならあらかじめその分を考慮しておかなくてはいけません。
また、設計時に車庫があるかないかで設計士のデザインに対する考え方が変わってきます。
ガレージであれカーポートであれ、建物と同時に設計した方が一体感のある外観に仕上がります。

ガレージの入口を建具にした事例

 

②ガレージにシャッターを付けるべき?→シャッターの場合は強度を要検討、建具にする方法もあります。
1台分であればそれほど問題ありませんが、2台分のガレージの場合はシャッターそのものがかなり重くなるためガレージの開口部の強度に配慮が必要です。
なお強度の問題をクリアするためには、シャッターではなく建具にする方法もあります。

③ガレージの場合は換気扇をつけるのがオススメ。
締め切った場所で排気ガスが出るため、換気扇を付けておくとよいでしょう。

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