愛知・岐阜の注文住宅・リフォーム 長久手Studio | 中島工務店

親の土地に家を建てるとき注意したいこと~贈与と相続・使用貸借・抵当権・分筆などを解説!~

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『親の土地に家を建てるときの注意点』です。

親御さんが所有している土地に家を建てるってわりとありますよね。
具体的にどのくらいいるのか、2016年度の住宅市場動向調査(国土交通省)で注文住宅を取得した人の敷地の取得方法を見てみましょう。

一番多いのはやはり「購入した」66%です。
「相続した」11.3%、「贈与を受けた」4.3%となっており、これらのほとんどは親御さんからの相続または贈与でしょう。
さらに「土地を無償で借りている」が9.8%ありますが、これの内訳も親名義の土地を借りている人が多いと考えられます(無償での貸借は親子関係または経営者が会社所有の土地を借りるケースがほとんどです)。
つまり、注文住宅を建てた人の約2割がなんらかの形で親御さんの土地に建てているといえます。

建てさせてもらえる土地があるのならありがたく建てるとよいと思いますが、具体的な建築計画を始める前に注意したいこともいくつかあります。
なぜなら土地は資産だから。
資産(財産)である以上、そこには権利が発生し、税金の問題も必ず出てきます。
そうです、このテーマのポイントは要するにお金。
融資・固定資産税・相続など、親の土地に建てるからこそ知っておきたいお金にまつわるアレコレをお話しします。
最初におおざっぱな結論を言ってしまうと、親が相当な資産家でない限り 敷地は親名義のまま無償で借りておくのが一番おトクです。
じゃあ相当な資産家ってどのくらい?っていうと、総資産や資産の内訳、相続人の数など条件によってずいぶん変わってきてしまうので一概には言えません。
この記事で基礎知識を身につけた上で、住宅会社の営業スタッフや税理士、司法書士など専門家に相談してくださいね。

 

本題の前に~親の家と同じ敷地に建てるときには分割または分筆が必要

親名義の敷地に家を建てるには2つのパターンがあります。
①親が所有する土地に子が単独で家を建てる、②親の家があるのと同じ敷地内に子が家を建てる です。
お金の話を始める前に知っておいてほしいのが、②親の家があるのと同じ敷地内に子が家を建てる場合には敷地の分割または分筆が必要というルールです。
建築基準法施行規則第1条に則ったもので、ひとつの敷地にはひとつの建築物しか建てられないとされています。
そこで分割または分筆をしなければならないわけですが、分割と分筆の違いはこうです。

分割:建築確認申請上の手続き。確認申請に提出する書類上で敷地を2つ以上に分ける。
分筆:登記上の手続き。元の敷地を2つ以上に分けてそれぞれの所有者を登記する。

 

分割の方が分筆よりはるかに簡単な手続きで済みますし、ほとんどの場合、分割で対応可能ですが敢えて分筆した方がよいケースもあります。
のちほど詳しく説明しますので、とりあえず親の家と同じ敷地内に建てるときには敷地を分けなきゃいけないことだけ覚えておいてください。
ひとまず、最後の方で出てくる「分筆した方がよい場合」までは分割を前提にお話ししていきます。


※敷地を分割または分筆するにはいくつかの規制があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。離れについてお話ししていますが、通常の新築住宅を建てる場合も同様です。

敷地は親名義のまま無償で借りるのがおすすめ

では本題にいってみましょー!
不動産などを無償で貸し借りすることを使用貸借(しようたいしゃく)といいます。
最初にお話しした通り、親の土地に子が家を建てる場合、親がよほどの資産家である場合を除いて使用貸借=無償で借りるのが金銭的に有利です。
なぜなのかというお話ですが・・・。

ここで相続と贈与の比較が必要になります。
使用貸借(無償で借りる)なら親の死亡時に土地を相続することになりますが、そうでなければ家を建てる時点で贈与を受けることになるからです。
相続と贈与を比べると控除額が全然違っていて、相続の方が断然有利です。
こんな感じ↓↓↓↓

相続税の控除額
基礎控除3,000万円+(法定相続人の人数×600万円)
父母どちらかが生存の場合の配偶者控除[1億6,000万円までまたは法定相続分のいずれか多い金額まで非課税]
贈与税の控除額
通常 年間110万円
相続時精算課税制度利用の場合、2,500万円まで非課税

 

税率は相続税も贈与税も累進税率でなかなかスゴイ率となっていますが(贈与額1,000万円で税率40%とか!)、控除額がこれだけ違っていれば相続の方が基本的に有利なのがわかっていただけると思います。
仮に土地・建物に現金や有価証券などを加えた遺産総額が2,500万円以下の場合、相続でも贈与(相続時精算課税制度利用)でも非課税となるのでどちらでもよいことになりますが、親の死亡時の遺産額がいくらになるかなんて家を建てる時点ではわかりませんからより控除額が多い相続を選んでおくのが基本でしょう。
ちなみに手続きに係る手数料も、贈与が登録免許税2%+不動産取得税4%なのに対して相続は登録免許税0.4%だけでずいぶん有利になっています(%はいずれも課税標準額に対して)。
※相続税、贈与税の税率は東京税理士会のまとめがわかりやすいのでご覧ください→相続税はコチラ、贈与税はコチラ
※相続時精算課税制度利用の場合、毎年の贈与税控除枠110万円は適用されない、贈与を受けた時点の評価額で税額が決まるなどの注意点があります。こちらの記事もあわせてご覧ください。

で、敷地に話を戻すと。
贈与より相続の方が有利ということは、ひとまず家を建てる時点では敷地を親名義のまま無償で借りておいて相続時に相続税を払った方がお得ということになります。
ただし、しつこいですけど諸条件によって違ってきますから具体的には必ず専門家に相談してくださいね。
なお、親と同じ敷地内に建てる場合も、後述するような必要性が特になければ分割で、または分筆しても名義変更せずに無償で借りておきましょう!

唯一、無償で借りるデメリットがあるとしたら、親死亡時に相続人が複数いたら必ずしも自分がその土地を相続できるとは限らないという点です。
心配であれば親御さんに公正証書遺言を作成しておいてもらいましょう。

 

親名義の敷地で融資が受けられるのか→だいたいOK!

敷地は親名義のまま無償で借りるのがいいとわかりましたが、次に心配になるのが融資のことですよね。
住宅ローンを組むには敷地を担保にしなくてはいけませんが、その名義がローンの借主と違うわけですから「いいの?」となってしまいます。
結論からいうと、①親名義の敷地に抵当権が設定されていない場合は問題なくOK、②敷地に抵当権が設定されている場合は金融機関によるがだいたいOK です。

親名義の敷地に抵当権が設定されているというのは、親の家のローン返済がまだ終わっていない等なんらか理由で既存の融資の担保になっているケースです。
抵当権がなければ、親の同意さえあればその敷地を担保にして子が融資を受けることができます。
このとき、たいていの金融機関が親が子の住宅ローンの連帯保証人になることを条件にしていますから、あらかじめ親子で話し合っておきましょう。
なお、親の家と同じ敷地の中に子が家を建てる場合、分筆しておかないと親の家が建っている部分を含めて敷地全体に抵当権が設定されてしまいます。
この対策は次の項目でご紹介します。

では、敷地に抵当権が設定されている場合はというと。
子が単独で建てる敷地であれば金融機関が親の残債、土地の担保価値、返済能力などから総合的に判断しますが、親子なので認められることが多くなっています。
注意しなくてはいけないのは、やはり親の家と同じ敷地の中に子が家を建てる場合。
金融機関が親の残債、土地の担保価値、返済能力などから分筆を認めれば、親と子それぞれの家が建つ敷地に改めてそれぞれの抵当権を設定することになります。
一方、分割の場合は敷地全体に既存の抵当権(第1抵当権)、子の融資の抵当権(第2抵当権)が二重に設定されます。
この場合、万が一、親か子いずれかがローンを返済できなくなったときには敷地を丸ごと金融機関に持っていかれることになってしまうケースがあるので注意が必要です。

 

分筆した方がよい場合~抵当権の範囲の限定・固定資産税対策など

最後に親と同じ敷地内に建てる場合に注意しておきたいことをお話しします。
基本的には手続きが簡単で費用も抑えられる分割がおすすめなことに変わりありませんが、分筆した方がよいケースもあります。
①抵当権の範囲を限定したいとき、②固定資産税が節税できるとき です。

①抵当権の範囲を限定する
分筆しない、つまり登記上1筆の土地に子が家を建てる場合、抵当権は親の家が建っている部分を含めて敷地全体に設定されます。
確認申請上分割していても抵当権の登記には関係ありません。
ですから、万が一、子のローン返済が滞ったら親の家も一緒に失ってしまうことになります。
このとき、分筆しておけば子の融資の抵当権は子の敷地だけに設定することができます。
分筆しても名義変更しなければ登録免許税も1筆あたり1,000円、つまり2筆に分けるなら2,000円で済みます。
別途、土地家屋調査士の手数料は必要です。

②固定資産税を節税する
これが該当するのは限られたケースです。
例えば敷地が固定資産税路線価の異なる2つの道路に面している場合、分筆することで一方の敷地の固定資産税を節税することができます。
下の図のようなパターンですね。
名義変更をしなければこちらも登録免許税は1筆あたり1,000円です(土地家屋調査士の手数料別途)。

 

おまけ~あわせて知っておきたいこと

①親が子に土地を安く貸したり売ったりすると相場との差額に贈与税がかかる
子が親にお金を払って敷地を借りたり買ったりする場合、周辺相場と同じくらいの金額を払えば単なる賃貸借や売買とみなされますが、多少なりと安くしてもらったり権利金を払わなかったりするとその分に贈与税がかかるので注意が必要です。

②親名義の敷地の固定資産税を子が払っても贈与税はかからない
親の土地を無償で借りていても固定資産税は子が払うということがあると思いますが、このときの固定資産税分は子から親への贈与とはみなされず贈与税はかかりません。
固定資産税が民法595条第1項に規定された借主が負担する「通常の必要費」に当たると判断されているためです。

③土地には住宅取得等資金非課税贈与枠が適用されない
2020年3月末まで親から子に住宅建築のための資金を贈与する場合に住宅取得等資金非課税贈与枠という制度が利用できますが、これは現金のみが対象で土地の贈与には適用できません。
住宅取得等資金非課税贈与枠については先ほどご紹介した「住宅取得資金贈与の税金対策なら・・・」という記事をご覧ください。

④分筆には境界確定測量が必要
分割なら書類上で線を引けば済みますが、分筆の場合は土地家屋調査士による境界確定測量が必要です。
その名の通り隣地との境界を確定させるための測量で、境界を接するすべての土地の所有者に立ち会ってもらわなくてはいけません。
費用は面積や境界標の数、立会人の数などによりますが、だいたい30~40万円はみておいた方がいいでしょう。

⑤親戚の土地に建てる場合はもう少しハードルが上がる
親名義の土地に建てる場合をお話ししてきましたが、祖父母など親戚名義の土地に建てるというケースもあるでしょう。
無償で借りた方が金銭的に有利なのは基本的に同じです。
ただ、融資の審査が親子の場合より厳しくなります。

来場予約はこちら