愛知・岐阜の注文住宅・リフォーム 長久手Studio | 中島工務店

建て替えの注意点~地盤・解体費用・接道・セットバックなど更地に建てる場合との違いまとめ~

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『建て替えの注意点』です。

これまで住んでいた家を建て替えたり、親から相続した家を建て替えたり、古家付きの土地を買って建て替えたり。
今ある建物を壊してから新築するというのはわりとよくあるケースです。
ただし、このときには更地に建てるのとはちょっと違った注意が必要です。
今まで建っていたんだから同じように建てられるはず!とはいかない、建替えだから考えておかないといけないポイントやかかってしまう費用があります。

今日はもともとそこに家が建っていたからこそ気をつけなくてはいけない建て替えの注意点をまとめます。
建て替えを前提に古家付き土地を検討中なら、こちらの記事もあわせてご覧ください。

建て替えの注意点① 地盤調査は必須!

建て替えを希望されるお客様が「必要ないんじゃないの?」と言われることが多いのが地盤関連のこと。
具体的にいうと地盤調査と地盤改良です。
今まで建ってたんだから大丈夫でしょ!?と思われる気持ちはよくわかりますが、残念ながらそう簡単ではありません。
現在、地盤調査は事実上義務付けられていて建て替えでも必ず行わなければいけません。
ところが、古い建物では地盤調査が行われていないこともあるほか、過去に地盤改良工事が行われている場合、逆に今打たれている杭を撤去しなくてはいけないこともあるので注意が必要です。

地盤調査の費用は建物の大きさや調査方法にもよりますが、だいたい数万円といったところ。
調査の結果、改良の必要がなければこの数万円で終わりです。

が、地盤改良が必要になった場合は30万円から100万円以上かかることもあります。
建物の基礎部分の面積にもよりますし、地盤が軟弱なほど費用はたくさんかかります。
こればかりは調査してみなくてはわかりませんが、経験上は地盤改良がまったく必要ないケースの方が少ないため、あらかじめ地盤改良費として100万円くらいみておいた方が安心できるでしょう(使わなければほかのことにまわせますからね!)。

地盤改良工事

 

それから、先ほども少し触れた過去に地盤改良工事で杭が打たれていた場合ですが。
お客様からは「今ある杭を使えないの?」と言われることもありますが、こちらも残念ながらそうはいきません。
地盤改良のための杭は間仕切りの下に位置するように打たなくてはいけません。
これから建てる家と古い家の間取りが同じなんてことはありませんから、杭の位置が同じになることもあり得ないわけです。
また、建物と地盤の状態に合わせて杭の強度も設計するので、そういう意味でも古い家の杭は使えません。
なので、古い家の杭がある場合はその杭を抜くか破壊することになり、その分の費用も必要になります。
なお、古い杭をうまくよけて新しい杭を打つことができる場合は古い杭をそのままにしておくこともあります。

 

建て替えの注意点② 解体のお金や近隣トラブルに注意

建て替えにつきものなのが解体です。
解体費用はあらかじめ見込んでいるとは思いますが、思いのほか高くなることがあります。
どんなときに高くなってしまうのかというと。

解体費用が通常より高くなるケース
①鉄筋コンクリート造や鉄骨造で通常想定されるより大きな基礎がつくられていた場合。
②アスベストなど処分が難しい=お金がかかる建材が含まれている場合。
③道路が狭くて重機が入れない場合。
④庭や車庫、離れなど敷地内に壊さないように配慮しなければいけないものがある場合。

 

①は地面の下がどうなっているかわからないので、着工後にわかってビックリするけどやるしかないパターン。
②はかつてはアスベストがスレート瓦にも使われていたので、意外と直面してしまうことがある問題。
③や④は重機で一気に壊すことができず、いろいろ養生したり手壊しになったりする場合で、時間も手間もずいぶん違ってきます。
①や②は一般の方が事前に把握するのは難しいと思いますが、我が家が③や④に当てはまると思うときには解体費も多めに見込んでおいた方がいいでしょう。

お金のことに加えて、気をつけておきたいのが解体工事で起こりやすい近隣トラブルです。
解体工事では騒音や埃、振動が避けられません。
それらの点では建築工事よりむしろご近所への影響は大きく、十分な配慮が必要です。
解体工事は「潰すだけならどこがやっても同じ」と思われがちで、お客様の中には「解体工事業者だけ安いところを自分で探してくる」という方もいらっしゃいます。
費用の比較も重要ですが、着工前の挨拶まわりに始まって近隣に対してどのような対応をしてもらえるのかなどもしっかり確認しましょう。
建築工事を請け負う工務店としては、できるだけ私たちに相談してほしいところではあります(万が一、解体でトラブルが起こるとそのあとの建築工事もいろいろたいへんになったりするので・・・とか思います)。

 

建て替えの注意点③ 接道義務を確認しよう

建て替える敷地が都市計画または準都市計画区域内にある場合、接道義務が生じます。
建築物の敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない(建築基準法第42条・第43条)というルールです。
こちらも「今まで建ってたんだから大丈夫でしょ!?」といかないポイントのひとつで、建築基準法の適用前や都市計画区域に指定される前に建った建物の中にはこのルールをクリアしていないものもあるんです(既存不適格)。
この場合、建て替えなければ問題になりませんが、建て替えるときには改めてきちんと接道義務を満たさなくてはいけなくなります。

さらに注意したいのが、一見すると幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しているように見えるのにそうではないというケースがあること。
考えられるパターンとしては、①敷地に接している道路が建築基準法上の道路ではない場合、②敷地と接道のあいだにほかの人が所有する敷地がある場合 が多いでしょうか。
このあたりはこちらの記事↓↓↓↓に詳しくまとめましたのでぜひ読んでほしいと思いますが、こういうケースに当たると建て替えそのものができない場合があることに注意してください。

 

建て替えの注意点④ 壁面後退が必要な場合も

都市計画区域内では壁面後退にも注意しましょう。
一般的に壁面後退といわれているルールには2種類あり、①建築基準法上第54条「外壁の後退距離の制限」と②第47条「壁面線による建築制限」があります。
以下に簡単に解説しますが、これも接道義務同様に建築基準法適用前や都市計画区域に指定される前に建った建物には既存不適格のものがあります。
つまり、これまで建っていた建物には適用されていなかったけれど、建て替えるなら新たにこのルールを守らなくいてはいけないということですから、元の建物より新しい建物を小さくしなければいけない場合があります

①外壁の後退距離の制限
第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域で定められることがあるルールで、建物の外壁または外壁に代わる柱を敷地境界線から1メートルまたは1.5メートル後退させなければならないというもの。
緩和措置もあり、外壁後退線からはみ出す外壁の長さの合計が3メートル以下の場合および軒の高さが2.3メートル以下で且つ外壁後退線からはみ出す部分の床面積の合計が5平方メートル以下の場合(物置など)は外壁後退線よりはみ出して建てることができます。
ただし、このルールを適用するかどうかを具体的に決めるのは各自治体で、第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域でもこの制限が設けられていないところもたくさんあります。
一方で、風致地区や各地域の地区計画などではよりよい環境を守るためにさらに厳しいルールが設けられている場合もあるので注意が必要です。

②壁面線による建築制限
壁面線の制限は地区計画などで定められるもので「道路境界線から●メートル後退しなさい」というルールです。
壁面線の制限がある地域では、道路の両側の建物が一直線上にきれいに並ぶことになります。
外壁後退との違いは、外壁後退がすべての敷地境界線から距離をとらなくてはいけないのに対して壁面線は道路境界線からの距離だけが規定されていることです。

 

建て替えの注意点⑤ 市街化調整区域ではそもそも建て替えできないかも

ここまで建て替えのときに注意したいことをお話ししてきましたが、市街化調整区域ではそもそも建て替えができないことがあります。
市街化調整区域は都市計画法で定められた「市街化を抑制する地域(都市計画法第7条)」で、この地域では則として新たに家を建てることはできません(※具体的な運用は自治体によって異なります)。

すでに家が建っているところを建て替えるんだからいいんじゃないの?と思ってしまいそうですが。
そこには業界用語で「線引き」といわれるルールがあって、1970年の指定日以前から「宅地」として登記されていて且つ現在まで継続して宅地である場合なら住宅の建築が認められます(1970年の何月何日が指定日になっているかは自治体によって異なります)。
線引き後に宅地になっていた場合、その土地の売買は厳しく制限されていて、購入や建替えには都市計画法の許可が必要です。
我が家が市街化調整区域内にある!というときは、まずここから確認した方がよいでしょう。

 

建て替えの注意点⑤ 給水菅の交換が必要かも

最後に、見落としがちでちょっと費用が発生するポイントをひとつご紹介しましょう。
給水菅の直径です。

30年くらい前の建物だと給水菅の直径はだいたい13ミリです。
でも今は20ミリが一般的。
2階にもトイレをつけるのが一般的になるなど水まわりの設備が増え、昔に比べて水圧が高くなければいけなくなっているため、建て替えの際には20ミリに取り換えることになります。
給水菅とメーターの取り換えは自治体の管轄で、自治体に申請して指定給水装置工事事業者が工事を行います。
水道工事に関わる費用は合計で20~30万円ほどになる場合もありますので、こちらも予算にみておくと安心でしょう。

来場予約はこちら