愛知・岐阜の注文住宅・リフォーム 長久手Studio | 中島工務店

住宅の階段の種類と間取りの関係~高さや奥行など法的規制まとめと設計のポイント~

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『階段』です。

ほとんどの戸建住宅につきものの階段。
平成25年住宅土地統計調査によると全国には戸建住宅が2,860万戸ありますが、うち平屋建ては約14%の402万戸にとどまります。
つまり8割以上の家に上下階をつなぐ階段があるということで、家づくりを考えるときに階段は必ず考慮しなくてはいけないポイントのひとつだといえます。
もちろん階段にも法的規制がありますし、間取りやデザインにも影響します。
さらに、階段ならではのポイントとして安全性も考えなくてはいけません。

というわけで、今回はまず階段の法的規制を確認。
それから階段の種類と設計のときに考えておきたいポイントをお話ししましょう。

あわせて階段の掛け方(構造)とデザインについてはこちらの記事をご覧いただくと、階段を空間のアクセントや収納として活用する方法が見えてきます。

住宅の階段の規制~サイズ・手摺など

建築基準法施行令第23条で、住宅の階段の寸法は幅75センチ以上、蹴上(けあげ)23センチ以下、踏面(ふみづら)15センチ以上と定められています。
聞き慣れない用語ですよね。
階段の足で踏む面の奥行を踏面といい、踏面と踏面のあいだの高さを蹴上といいます。

また、2000年6月1日の建築基準法改正後は手摺の設置も義務付けられました(建築基準法施行令第25条)。

上記の寸法の規制は最低限守らなくてはいけないもので、実際に踏面15センチ・蹴上23センチでつくるとかなり急勾配で足を置くスペースに余裕がない危険な階段になってしまいます。
なので実際には各住宅会社ともこれよりゆるやかで安全なサイズで自社基準を定めています。
ちなみに、中島工務店の標準仕様は幅790mm、踏面227.5mm、蹴上210mm。
踏面の数字が細かいなぁと思われますか?
その理由は設計モジュールとの関係にあります。
次の項目で見ていきましょう。

 

設計モジュールと階段

設計モジュールとは、設計する上で基準となる寸法のこと。
よく聞くのは「メーターモジュール」や「尺モジュール」でしょうか。
メーターモジュールは1メートルを基準に設計していくものですが、日本の住宅会社の大半は尺モジュールで910mm(3尺)を基準としています。
910mmの方眼紙があるとして、その方眼にきれいに納まるように間取りを組み立てていくものです。

階段もこの910mmのモジュールに合わせて考えていきます。
中島工務店の場合だと、幅は尺モジュールの有効寸法790mmに。
標準の階高2,730mm(910mm×3)を安全な勾配で昇り降りすると考えると、踏面227.5mm(910mm÷4)、蹴上210mmで13段という標準仕様が決まってくるわけです。

もちろんこれは標準で、実際には階段は途中に踊り場を設けたり折れ曲がったりすることがよくありますから、それに合わせて安全に昇り降りできる寸法にしていくことになります。
が、このときにもやはり尺モジュールに納まるように設計していくのが基本です。
この話はこのあとの内容にもかかわってくるので、ひとまず「910mmの方眼の上で考える」ということを覚えておいてください。

 

まわりかたから見た階段の種類

階段の種類をまわりかたから見ると、おもに直階段(踊り場なし/あり)、かね折れ階段、回り階段、折り返し階段、らせん階段があります。

画像はLIXIL様サイトより拝借

 

 

階段の設計ポイント~面積・間取りとの関係・安全性

次に、設計のときに階段についてどんなポイントから検討するかご紹介しましょう。
おもなポイントは面積・間取りとの関係・安全性です。

①面積
一番面積を取らないのは直階段(踊り場なし)。
先ほどの中島工務店標準仕様そのままの13段で昇りきることができるので、910mmのマス×3でよいというわけです。
ほかの階段はまず4マス以上必要になってくるので、「階段に面積を割きたくない」という場合は直階段を優先的に検討してもよいでしょう。

②間取りとの関係
家の中のどこにどんな階段をつけるかは間取りにも影響します。
1階のどこと2階のどこをつなぐかが動線に影響するのは一般の方でもよくわかると思います。
設計士は、さらに専門的な視点からも検討します。
平面図で1階の上り口と上りきったところ(2階)の位置がどこになるかをイメージしてみてください。
直階段だと上り口と上りきったところが約2.7メートル離れてしまいます。
一方、回り階段や折返し階段だとほぼ隣り合った位置になりますよね。
少し専門的になりますが、上り口と上りきったところの位置が離れていない方が間崩れを起こしにくいとされています。
実際に設計するときには全体を総合的に考えますが、できるだけ間崩れを避けるように階段を配置することも設計士が考えるポイントのひとつです。
階段下は収納などに使われることも多く、そうした場合は階段を変えると収納が変わってくるのでよく検討したいところでもあります。
間崩れとは:間取りの都合でモジュールを部分的に崩すこと。間崩れが少ない方が構造的に安定するため、設計者はできるだけ間崩れを避ける。

③安全性
階段は家の中でもケガをしやすい場所のひとつなので、安全性にも配慮が必要です。
途中に踊り場がある方が、万が一足をすべらせても踊り場で止まる可能性が高いため安全です。
ただし、踊り場を設けるとどうしても余分な面積が必要になります。
面積を抑えたい場合は踊り場を設けず、折返し階段や回り階段でもまわる部分に段板をつくることになりますが、段板の部分は三角形なので特に足を踏み外しやすくなってしまいます。
できるだけ安全にするためには三角形が大きい方がよいので、910mmのマスを3つに割る(段板を3段つくる)のは避け、2つに割る(2段にする)とよいでしょう。

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