愛知・岐阜の注文住宅・リフォーム 長久手Studio | 中島工務店

【事例画像あり】障子のデザインから考えるおしゃれな和モダンの家~ワーロンとの違いやメリット・デメリットも~

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『障子』です。

家の中で床・壁・天井に次いで大きな面積を占める建具(=ドアや戸)はインテリアを決める重要な要素です。
叶えたいイメージによって選ぶ建具も様々ですが、和風や和モダン、落ち着いた印象に仕上げたいなら障子を検討してみるのがオススメです。

中島工務店は伝統技術を活かした家づくりに力を入れているので、障子を使った施工事例もたくさんあります。
今日は当社の施工事例を参考にしながら、障子の特徴とメリット・デメリットを確認。
窓辺に使ったときと間仕切りに使ったとき別に、おしゃれに使うためのポイントを見ていきましょう。

この記事でわかること
●障子特徴とメリット・デメリット
●障子とワーロンの違い
●窓辺に使った事例と使い方のポイント
●間仕切りに使った事例と使い方のポイント
●その他の使い方

 

障子の特徴とメリット・デメリット

障子は木製の枠に薄い和紙を張った伝統的な建具です。
おもな特徴はこんな感じ↓↓↓↓

障子のおもな特徴
●木と紙でできた自然素材100%の建具。
●光を通すので、視線をカットしつつ明るさを得られる。
●カーテンの代わりに窓辺に使われたり、戸として間仕切りに使われる。
●桟の組み方次第で多彩なデザインを実現できる。

 

視線を遮りつつ光を通すのが、インテリアとしての障子の大きな特徴です。
下の画像をご覧ください。
リビングとダイニングキッチンの間仕切りに障子を用いたケースですが、ダイニング側の灯りがほんのりと見えていて、人や物の影が感じられるます。
これがメリットにもデメリットにもなっています。

メリット
●間仕切りを閉じていても向こうにいる人の存在が感じられる。
●和紙越しにほんのりと伝わる光や、障子に映る影が美しい。
●障子を使うだけで和のイメージをつくれる。
●光を通す特性を活かして照明などに活用できる。
●太鼓張り(桟の両側に和紙を張る)にすると断熱効果が高くなる。
デメリット
●破れやすい。
●影が見え声も漏れるためプライバシーが確保できない。
●窓辺に使って遮光したいときには、外に雨戸やシャッター、すだれなどが必要。
●桟にホコリが積もりやすく、掃除しづらい。
●カーテンより割高。

 

障子とワーロンの違い

特徴を踏まえて事例を見ていきましょう!と言いたいところですが、その前に障子とワーロンの違いを確認しておきましょう。

最近は和紙の代わりにワーロンを使うことも多くなっています。
ワーロンにもいくつか種類がありますので詳しくは株式会社ワーロン公式サイトをご覧いただくとして。
簡単にいうと、ワーロンとは樹脂製の和風素材。
樹脂の両面に和紙を張った強化障子紙や、逆に和紙を樹脂でラミネートした和風樹脂板など、和紙の風合いを活かしながら破れにくくした製品です。
破れにくくて表面の拭き掃除もできて、ちゃんと和紙に見える!
そりゃあ人気にもなりますよね。

和紙とワーロンの使い分けですが、中島工務店では間仕切りに使う場合はワーロン、窓辺に使う場合は和紙を採用することが多いです。
やはり間仕切りは開閉のときに破れやすいですから。
お子さんが小さいご家庭などでは、すべてワーロンにすることもあります。

ワーロンと和紙はパッと見ではほとんど区別がつきません。
が、両面から見るとわかります。
和紙は昔ながらの障子同様に桟の片面に糊で貼るのに対し、ワーロンは両面に桟を組んで桟と桟のあいだに落とし込みます。
ワーロンは薄いとはいえ板なので、和紙に比べて厚くて重くて硬いですから。
なので片面にしか桟がなければ和紙、両面に桟があればワーロンというわけです。

お値段はワーロンの方が和紙より高いです。
また、ワーロンは破れにくいとはいっても破れないわけではありません。
和紙は破れたらそこだけ補修することができますが、ワーロンは割れると1枚まるごと交換することになります。

和紙と比べたときのワーロンの特徴をまとめるとこんな感じ。

●和紙の風合いが感じられる樹脂製品。
●木の桟を組子にして、桟と桟のあいだにワーロンを挟んで仕上げる。
●破れにくいが、破れないわけではない。
●破れた(割れた)ときには建具1枚分を丸ごと交換する。
●和紙より値段が高い。

 

ワーロンが使われていても障子に準じたスタイルで木枠にはめこまれていれば、デザイン的には障子として扱われることが多いです(上の画像もワーロンです)。
この記事ではワーロンも含めて「障子」として、デザイン的にどのように使うか見ていきます。

 

障子の使い方のコツ

先ほど障子の特徴として「カーテンの代わりに使われる」としましたが、そもそも障子の方が先にありました。
現在のような木枠に紙を張った障子は平安時代末期には見られましたが、近代以降、住宅の洋風化に伴って障子がカーテンに取って代わられました。
とはいえ、今ではカーテンの方が一般的で、障子は和のイメージを出したい場所に意図的に使われる方が多くなっています。

障子の一般的な使い方
1)和室の建具として
2)和室ではない場所の和のイメージの演出に

 

障子のデザインを考えるときに特に覚えておきたいのは、①光を通す、②桟のデザインは自由 という2点。
この2点を踏まえると障子の使い方が広がります。
窓辺でも間仕切りでも同じなので、コレを頭の片隅に置きながらご覧ください。

 

窓辺の障子 事例①和モダンのイメージを演出する

最近はいわゆる純和風住宅は少なくなっていますが、一方で和モダンの人気は高まっています。
和モダンの演出に役立つのが障子です。
すごく和風というわけではない空間にほどよく和のイメージを与えてくれます。

それではひとつめの事例。
当社の住宅展示場長久手Studioです。
※真ん中の←→表示を左右に移動させてご覧ください。

ここはセミナールームというちょっとした会議やヨガ教室など各種レッスンに貸し出しているスペースで、無垢の桧の床と引込(ひきこみ/壁の中にサッシを引き込む)の窓が特徴です。
目的に適ったすっきりと広い空間で、すごく和風というわけではありません。
が、ここに障子をあしらったことでほどよく和のイメージが付加されました。
障子を開けると額縁のように庭の風景を切り取り、閉めると和紙と木で組まれた整然とした面ができます。
もしここにカーテンやロールスクリーン、プリーツスクリーンなどが設えられていたら、全然違う印象になりますよね。
障子ならではの毅然とした美しさを活かした空間です。

なお、この事例では天井照明も障子で仕上げています。
天井の梁と梁のあいだに照明を取り付けて障子でフタをしただけですが、趣ある仕上がりになりました。
これが蛍光灯やよくあるシーリングライトだと印象はまったく違います。

下の画像も同様の事例。
「いかにも和」というリビングではないのでロールスクリーンなどでもよさそうですが、敢えて障子にすることで緊張感のある美しさを叶えました。
テーブルの和の設えも似合います。

 

窓辺の障子 事例②桟のデザインを工夫する

同じく和のイメージを出したい場所に意図的に使った事例ですが、桟の組み方によって空間にリズムを生み出しました。

縦桟を一定の間隔で配し、横桟を下の方に2本だけ狭い間隔で入れています。
奥の襖や、やはり障子を使った照明とのバランスで空間に美しいリズムが感じられます。
照明は先ほどの長久手Studioの事例同様、天井設置の照明器具に障子をかぶせたものです。
桟の色と組み方で印象が違いますね。

下の画像は幅が広めの建具に縦桟をやや狭い間隔で、横桟を広めに入れました。
まっすぐに伸びる無垢の床材と相まって、いっそう奥行が感じられる仕上がりです。

事例1の正方形に近い四角とこの2つでは、桟の組み方次第で印象が違うのがわかると思います。
桟のデザインは障子を建具以外に使うときにも活かせますので、のちほどご紹介します。

 

窓辺の障子 事例③光と陰影の演出

光を通すという特徴を活かして、建物の内外を陰影で彩るのも障子ならではの演出です。
設計のときに「光の漏れ方」にこだわって建てるお客様もいらっしゃいます。

まずはこちら。
障子を通した灯りが外に漏れて、なんともいえない趣があります。
カーテンの隙間から漏れる灯りとはひと味違います。

陰影は家の中にも生まれます。
縁側を挟んだ和室に障子を配し、外からの光をほんのりと伝えています。
まさに「陰翳礼讃」です。

雪見障子も陰影を活用した一例です。
障子越しの光が入る仄暗い空間に一部だけ外が見える仕掛け。
外の明るさとの対比が印象的です。

 

間仕切りの障子 空間をゆるやかに仕切る

間仕切りに使う場合も、光を通すという特徴を活かしてゆるやかに仕切ることができます。
障子を通して仕切りの向こうが感じられるので、実際より広さもあるように感じます。

下の画像2つは、いずれも吹き抜けに面した2階の壁を障子にした事例です。
閉じれば独立した空間に、開けば上下階がひとつの部屋のようにつながった空間になります。

壁に比べると障子は閉じていても声がよく聞こえるので、プライバシーはあまり保てません。
あらかじめご説明しているので「家族の様子がよくわかる」と喜んでいただいていますが、もしかしたら2階にいるお子さんは嫌がっているかもしれません^ ^;

 

障子のその他の使い方

ここまでにいくつかの事例をご覧いただきましたが、桟の組み方によっていろいろなデザインをつくれることがおわかりいただけたかと思います。
実は桟の組み方はもっと自由で、こんな風に使った事例もあります↓↓↓↓
玄関の飾り窓です。

当社のInstagramでトップクラスの人気を誇る事例です。
丸く切り取っていますが、障子そのものは四角。
もちろん外枠もありますが、壁の中に隠れて見えません。

反対側の四角い障子を見せた事例もあります。
四角い障子に外からの丸い光が浮かび上がります。
障子をうまく使うとこんな演出もできます。

外側。1階左の方の丸窓の内側が障子。
内側

照明に使う場合ももう少し見ておきましょう。
ここまでにご紹介した事例は梁のあいだに照明を取り付けて障子をカバーにしていましたが、天井に埋め込むように仕上げる方法もあります。

一般的に柱や梁を見せると和風、隠すと洋風に見える傾向があります(見せたものを真壁、隠したものを大壁といいます)。
上の事例は大壁ですし、グレーの壁やアイアンを配しているのでシンプルモダンっぽい仕上がりになりそうなところですが、障子の照明によって和のイメージが加わっています。

建具と照明両方を障子にした事例をもうひとつ↓↓↓↓

照明と建具がL字につながっているように見えます。
海老茶色の壁と相まって、和風すぎない和モダンでおしゃれな和室という印象になりました。
障子イコール和風というイメージですが、使い方次第で和の印象を弱める働きもすることがわかります。

古い家の障子を再利用した事例もご紹介しましょう。
下の画像の右の方にある黒っぽい建具に注目してください。

代々受け継いできた家を建て替えるに際して、元の家の建具の一部を新しい家に活かしました。
障子は木の部分を補修したり塗り替えたり、紙を張り替えたりできるので、年月を経てもいろいろな使い方ができます。

 

障子の張替えのめやす

最後に、障子の張替えのめやすをお話しします。
障子はガラスのように拭けないしカーテンのように洗えないので、お手入れの心配をされるお客様もいらっしゃいます。
確かに汚れたら張り替えなきゃと思うと少しハードルが高いですが、張替えに必要な金額はだいたいこんな感じです↓↓↓↓

障子1枚の張替え費用
●DIYなら1000円程度。
●表具店に自分で持ち込んだら3000円程度。
●表具店に引き取り・張替え・配達込で依頼したら1万5000円程度。
※地域や製品によって違います。

 

張替え時期は見た目で判断してください。
破れたり、たるんだり、黄ばんできたら張替えのタイミングです。
それってどのくらい?というと。
客室など普段使わない部屋なら20年以上、まず張り替えなくても大丈夫です。
リビングなどよく使う部屋の場合は、7~10年に1回くらいの張替えを想定しておくとよいでしょう。
家族に喫煙者がいる場合はすぐに和紙の色が変わってしまうので要注意です。

今回取り上げたように、障子はおしゃれな和モダン空間の演出にとても有効です。
和風住宅が少なくなるにつれ障子もどんどん使われなくなり、この20年で和紙の出荷量も製造する事業者数も約半分になってしまいました(下記グラフ参照)。
和モダンの家をつくるなら、障子をうまく活かしておしゃれな家をつくりつつ、伝統技術・文化も守り伝えられるといいなぁと思います。

和紙の出荷量と事業者数(工業統計より作成)

和室を考えるときにはこちらの記事も参考になります。

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