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建築途中で住宅会社が倒産したら~破産or民事再生?引継ぎ業者の探し方と注意点まとめ~

こんにちは、愛知・岐阜の注文住宅&リフォーム 長久手Studioです。
住宅建築のプロが納得できる家づくりのヒントをお話しするこのブログ。
今回のテーマは『建築途中で住宅会社が倒産したときの対処法』です。

前回「潰れない会社の見つけ方」と題して、契約前に注意しておきたいことをまとめました。


大切な我が家の建築を依頼した住宅会社が倒産するなんて考えたくありませんが、絶対に倒産しない会社はない以上、万が一に備えておきたいところです。
というわけで、今回は家を建てている途中で住宅会社の倒産した場合の対処法をまとめます。
長くなってしまったので、入居後に倒産した場合の対処法はまた別の記事にまとめたいと思います。

 

この記事でわかること
●会社倒産の種類:破産・特別清算・民事再生・会社更生
●建築途中で住宅会社が倒産したときの対処法
●引継ぎ業者の探し方
●引継ぎ業者探しの心得

 

建築途中で倒産したら ①会社消滅か再建か確認しよう

万が一、建築途中で住宅会社が倒産してしまったら。
焦る気持ちはわかりますが、落ち着いて住宅会社または管財人に説明を求めましょう(破産手続き開始決定後は破産管財人が工事中の物件の対応を決めることになります)。
まず確認したいのは会社が消滅するのか、再建を目指すのかです。
これによって、その先の道筋は全く異なります。

一言で「倒産」といっても①「破産」「特別清算」で会社がなくなってしまう場合と②「民事再生」「会社更生」で事業を継続しながら再建を目指す場合があります。

会社の倒産の種類
①破産・特別清算:会社は消滅。裁判所の監督下で会社の財産が処分・配当される。
②民事再生・会社更生:会社は存続。裁判所の監督下で債権者の同意を得て一部債務を減免、再建を目指す。

 

「民事再生」「会社更生」の場合は、工期の遅れなどいくつかの問題は生じるとしても引き渡しまで進む可能性が高くなります。
一方、「破産」「特別清算」の場合は会社がなくなってしまうので、多くの場合で契約は解除され、工事はストップします。
まずは会社がどのような方針をとるのか、落ち着いて確認しましょう。

「民事再生」「会社更生」の場合は、会社の方針をしっかり確認しながら引き続き工事を進めていくのが基本です。
ただし、民事再生の手続きには数カ月かかりますし、一部従業員が解雇されることもあります。
我が家が予定通りに建つというわけにはいきませんので、覚悟が必要です。

とはいえ、再建なら引き渡しまで進む可能性があります。
ここからは、より困難が多い「破産」「特別清算」で会社が消滅してしまう場合の対処法をお話しします。
なお、破産・特別清算とわかったら、できればすぐに法律の専門家のアドバイスを受けてください。
破産・特別清算だと会社にお金がありませんから、支払い済の代金が返金される可能性は低いです。
それでも法律に則って債権者の認定を受けることにより、多少なりと権利が確保されます。
専門的な手続きになりますので、ぜひ早急に法律事務所や法テラスなどにご相談ください。

 

建築途中で倒産したら ②完成保証の有無を確認しよう

会社が消滅する場合、工事請負契約は解除されます(正確には管財人の判断ですが、ほぼ解除されます)。
つまり工事はストップ、そのままでは家が建たなくなってしまいます。
そんなときにまず確認したいのが「完成保証」です。

完成保証とは、建築中に住宅会社が倒産した場合に施主の損害を保証し、少ない負担で建物を完成させられるようにサポートする制度です。
住宅瑕疵担保責任保険法人の商品で、保証内容は商品によって違います。
前払い済の費用を保証するもの、別の建築業者に引き継ぐ際に発生する追加費用を保証するもの、工事を継続してくれる建築業者を紹介してくれるもの、あるいはこれらを組み合わせたものなどがあります。

詳しくは住宅瑕疵担保責任保険法人のサイトをご覧ください。
日本住宅保証検査機構 JIO完成サポート住宅あんしん保証 住宅完成保証制度住宅保証機構 住宅完成保証制度

建築中の住宅会社が完成保証に加入していれば契約時に説明を受けていると思いますが、「聞いていない」という人も一度確認してみてください。
完成保証に入っていたら、まずは保険法人に連絡して今後の対応を相談しましょう。

ただし、原則として完成保証の保証料は施主負担です。
住宅会社が完成保証の登録事業者でも契約時等に施主自身が「完成保証を使わない」と判断していた場合、その物件は完成保証の対象にはなりません。
また、保証額には上限があり完成保証に入っていれば必ず追加負担なく家が建つというわけではありません。
保証範囲に引継ぎ業者の紹介が含まれていない場合、工事を引き継いでくれる事業者も自分で探さなければいけませんので、完成保証に入っていても様々な負担はあると考えてください。

 

建築途中で倒産したら ③引き継いでくれる建築業者を探す

元の住宅会社がなくなってしまう以上、引き継いでくれる建築業者を探すしかありません。
探すときの優先順位はこんな感じ↓↓↓↓

①倒産した会社が紹介する引継ぎ先
可能性は高くありませんが、倒産した会社が引継ぎ先の相談に乗ってくれるケースもあります。
危機に手を差し伸べてくれる会社は、普段から元の契約先(倒産した会社)と良好な関係だったはずです。
元の契約先の設計や工法への理解もある場合が多いので、運よく紹介してもらえそうなら、まずは一度その会社と話し合ってみてください。

②加盟団体など
住宅会社は同業者の団体に加盟していることがよくあります。
それらの中にはOMソーラー協会のOM総合保障制度のように、万が一のときにはメンバー内で残りの工事を引き継ぐと明示している団体もあります。
多くの団体はそこまでの制度はありませんが、その団体に加盟している=家づくりの考え方が似通っているので、まったく無関係の建築業者に比べれば引き継いでもらえる可能性が高くなるといえます。
倒産した会社が加盟していた団体に相談してみるのもひとつの手です。

③構造・工法が同じ業者
ここまでの方法で引き継いでくれる建築業者が見つからなかった場合、世の中にごまんとある建築業者の中からなんとか自力で見つけるしかありません。
そのときに目安にしたいのが構造と工法です。
構造とはおもに木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造のこと。
住宅会社はそれぞれ得意な構造・工法がありますから、鉄骨造の家を建てている会社に木造の相談に行っても対応は困難です。
木造住宅を建てようとしているなら、まずは木造の会社を選んでください。
次に工法も確認しましょう。
木造軸組工法(在来工法ともいう)で建てようとしているのに、2×4(ツーバイフォー)工法を得意とする会社に行ってもまず対応してもらえません(というか、できません)。
元の契約先の会社の建て方、すなわち新しい我が家の構造・工法を把握し、同じタイプの建築業者に相談しましょう。
なお、フランチャイズ等で展開している「●●工法」といった特殊な工法の場合は同じ工法を採用している会社にしか建てられません。
その工法のフランチャイズ本部・加盟団体本部に相談しましょう。
※木造軸組工法:柱と梁といった軸組で建物を支える工法。
※ツーバイフォー工法:木造枠組壁工法のひとつ。角材と合板でできたパネル(壁などの面)で建物を支える工法。

 

引継ぎ先探しの心得 ①手続きに時間がかかる

ここからは引き継いでくれる建築業者を探すときに知っておきたいこと、注意したいことをまとめます。

引き渡し前の建物は住宅会社の所有です。
大切な我が家ですが、倒産した住宅会社の財産の一部として管財人の管理下に置かれることになります。
管財人は建築途中の工事の契約を解除するか、完成させるか判断しなければいけません(多くの場合で契約解除されています)。
お客様から管財人に契約解除か完成させるかの判断を催告することもでき、期日までに管財人から回答がない場合は契約を解除したものとみなされます。
お客様から催告することによって手続きを早められる場合がありますが、必要書類等が専門的なのでやはり法律の専門家のアドバイスを受けた方がよいでしょう。
いずれにせよ、こうした手続きが終わって正式に契約解除されるまでは引継ぎ先を探すことはできなので注意してください(もちろん候補を探すのはOKです)。

 

引継ぎ先探しの心得 ②図面と見積書を持っていく

引継ぎ先を探すときには、必ず設計図面一式と見積書を持って相談しましょう。
建築業者はまず図面と見積書を見てその案件を引き継ぐことが可能かどうか検討します。
打ち合わせの記録や工事の進捗状況がわかる報告書、写真なども参考になる場合があります。
住宅会社から受け取った書類やデータはしっかり整理・保管し、万が一、引継ぎ先を探さなければならなくなったときには必ず持参しましょう。

 

引継ぎ先探しの心得 ③追加費用

幸いにも引き継いでくれる会社が見つかったとしても、追加費用がかかる可能性が高いです。
建築業者にとって他社が設計、途中まで施工した建物の工事を引き継ぐのはリスクがあり簡単に引き受けられるものではありません。
自社と設計・施工の考え方に違うところがあって当然ですし、そこまでにどんな施工がされているかもわかりません。
図面や見積書を読み解き、場合によっては調査も行い、自社で引き継ぐ場合の問題や対処方法を洗い出すところから始めなくてはいけませんから、当然その分の費用がかかります。
同じ木造軸組工法でも細部のつくり方は会社によって違いますし、部材の仕入れ値なども違います。
費用が増えるものもあれば減るものもあるとは思いますが、慣れない他社の図面で建てる以上どうしても手間が増え、全体で見ると費用アップの可能性が高くなります。

引き受けてもよいという会社が現れたら再度その会社に見積もりをお願いし、金額に納得してから依頼しましょう。
なお追加費用については倒産した住宅会社に賠償請求できる場合があります。
このあたりはケースバイケース、且つとても専門的な分野になるので法律の専門家に相談することをオススメします。

このように、建築途中で住宅会社が倒産するととてもたいへんなことになります。
住宅会社も倒産を避けるべく努力していますが、予期せぬ事態に陥ることもあります。
ぜひ前回の記事をご覧いただき、少しでも契約前に注意していただけると嬉しく思います。

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